みんなの「親への手紙」 008 子どもより酒を選んだ父

★お名前 猪熊猛
★性別 
★年齢 45
★職業 ライター


 お母さん、お父さんの酒乱の話です。
 子どもの目の前で毎日酒を飲んで暴れ、お母さんが罵倒するお父さんの酒乱の話です。
 次の瞬間、私に振り向き、「アンタがしっかりしないからお父さんが酔っぱらうんだよ!」と怒鳴りつけていた酒乱の話です。
(※「毎晩」ではなく、「毎日」になっているのは、酒乱は夜だけでなく、昼にもあったからですよ)

 幼い私は、真に受けていました。
 勉強も運動もイマイチだったけど、不良と付き合うわけでもない普通の子どもは。

 私に知恵がつき、「しっかりって具体的に何だったんだ!」と何度聞いても答えてくれませんでしたね。
 さらには、「(父の酒乱を見て)反面教師にして今があるんだよ」「いい経験になったじゃない」。
 そうでしょうか。

 家を出るまでの19年間いつも目の前にいた酒乱マシーンを見ていなくても、あんな人間になってはいけないと、普通なら思います。

 完成している子どもの夏休みの課題の絵を、子どもが出かけている間に黒い絵の具でグチャグチャにして、「そういう顔してんだろ!」と怒鳴る大馬鹿酒乱野郎を見ていなくても、酔いが醒めても謝らない最低糞野郎を見ていなくても、そんなことをする人間はいません。

 あんな思いをしなくても、あんな人間にはなりません。
 必要なかったのです。

 お母さん、あなたは子どもの私に、「一度やるって言ったんだからやりなさい!」とよく怒鳴っていましたね。
 ならば、酒乱のお父さんを毎日(※)子どもの目の前で罵倒し、毎回離婚を宣言しておきながら、翌日には何もなかったようになっていたのはなぜですか?

 一度言ったんだから守ったらどうですか?
 大人は、いや、親は許されるのですか?
 私は、いや、あなたの子どもは、「ヤッタ! これで離婚だ。酒乱のお父さんと別れられるんだ」と安心して眠りについていました。
 朝には絶望していましたがね。
 これの繰り返し。

 子どもがどんなに成長しても、部屋が余っていても、絶対に子ども部屋を与えてくれなかったのは、いつも目の前に置いておきたかったからですね?
 子どもが大事で心配だったから、と言うのでしょうね。
 そんなに大事で心配な存在が、酒乱の父の姿をいつも目の前で見なければならなかったのは平気だったんですね?
 罵倒する姿を見せるのは、平気だったんですね?

 あなたにとっては日常のことでも、罵倒してスッキリできても、立場も知識もない子どもが体験するのとは大違いです。
 日常ではありません。
 異常です。
 暴力や離婚後のあれこれだけが虐待ではないんです。

「別れるからね!」
「子ども連れてけ!」
「連れてかないよ!」
 この時、子どもは、いや、私は、どんな思いをしたとお思いですか?
 翌日には、何も無かったようになっている。

 「子どもが大きくなったら別れさせてもらうからね!」と宣言したこともありましたね。
 子どもの前で言う神経がわかりません。しかもいまだに別れていませんよね?
 「一度やるって言ったんだからやりなさい!」と言っていた人間が。

 私は、そんなお母さんの教えの通り、一度言うことは守ります。
 絶縁です。
 遺産はいりません。

 子どものお年玉を取り上げ、「通信簿で算数が3になったら勉強机買ってやる」 の約束を破り、写真クラブで必要なフィルムを買ってくれず、日課のビールを飲みながら、「フィルムなしで撮ってるふりしてろよ」なんて主義で貯めたお金=遺産は、どうぞあの世まで、お父さんの大事な大事な酒代としてお持ちになってください。

 「子どものつらい思いよりも優先されるお酒というものを永遠に楽しんでください」と、お父さんにお伝えください。


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