■安冨歩さん、応援コメント

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親子関係は人類最後の暗黒大陸である。
撮影:田村浩章/プラン・インターナショナル

 親は「子供のためを思って」虐待する。

 子供を嘲り、罵り、からかい、辱め、脅し、殴り、犯す。

 そうやって人間の尊厳を徹底的に破壊する行為を「しつけ」と称する。

 人間社会はこれまで、このようにして子供の魂を破壊し、そのことで人間を型に嵌め、そういう人間を組み上げて秩序をつくりだす、という愚行を繰り返してきた。

 そうやって魂を破壊された子供が大人になれば、親と同じことをやって子供に八つ当たりするのである。

 こうやって形成されるみせかけの秩序は、背後に巨大な無秩序を生み出してしまう。

 そして二進も三進もいかなくなったときに、無秩序は溢れ出し、巨大な暴力の放出や、文明そのものの崩壊という形でリセットされる、というパターンを繰り返してきた。

 しかしもはや、そのような愚行は許されなくなっている。

 なぜなら、人類が科学技術を発達させて、地球そのものを破壊する力を帯びているからである。

 核戦争、原発事故、自然環境の破壊は、そのような危機の一部に過ぎない。

 このような親子関係を通じた暴力の連鎖が、我々人類の抱える最大の問題であり、この問題を露呈させ、理解し、解決しない限り、人類社会に将来はない。

 今一生さんの企画する本書は、この暗黒大陸を解明するための探検である。
 そのような人類史的意義を帯びていると私は考えている。
 皆様のご支援をお願いしたい。

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