■編著者からのごあいさつ

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 親から虐待されて育った方々から、虐待の事実と痛みを「親への手紙」という形式で伝える文章を公募します。

 応募の中から100通を厳選し、1冊の本『新編 日本一醜い親への手紙』(仮題)として出版し、今秋、全国の書店・ネットなどで売り出します。

 この本は、クラウド・ファンディングで先払いで売り出すことで制作資金を調達し、出版します。

 1997年(平成9年)、Create Mediaは「親への手紙」を全国から募り、9歳から80代までの男女から集めた100通を『日本一醜い親への手紙』(メディアワークス ※現アスキー・メディアワークス)という本にまとめました。

 この本によって、児童虐待の深刻さにようやく人々の注目が集まるようになりました。
 家という密室の中に隠され、「子どもの言うことだから」と信じてもらえなかった虐待の現実を、ようやく家の外へ出せたのです。

 全国の児童相談所への相談件数は、厚労省が調査を始めた1990年(平成2年)当時は1101だったものの、右肩上がりに増え続け、2015年(平成27年)の速報値は103260
 過去最高(最悪)を更新したのです。
 相談件数は25年間で約100倍に増え、虐待の内実も見過ごせない事態になってきました(下記の画像をクリック)。




 所得格差の拡大と貧困化による「経済的虐待」が顕在化し、社会から孤立化した親による「文化的虐待」も浮かび上がってきました。

 2014年(平成 26 年)4月から2015年(平成 27 年)3月までの1 年間に厚生労働省が把握した「子ども虐待により死亡した事例」は、心中以外の虐待死事例では 43 例(44 人)、心中による虐待死事例では 21 例(27 人)であり、虐待によって亡くなった子どもの総数 は71 人でした。
 日本のどこかで、ほぼ5日ごとに1人の子どもが虐待で殺されています

 なんとか生き残っても、親からの虐待によって心や体に傷を負い、生涯に渡る長い通院生活を余儀なくされている事例がたくさんあり、今なお増え続けています。
 2017年現在、日本では、児童虐待を温存する以下の課題が解決されないまま残されているからです。

★国家予算における児童福祉事業の不足

★法的に強すぎる親権のために増やしにくい里親
★児童虐待と世代間連鎖に対する国民の関心不足

 Create Mediaでは、こうした課題を解決するツールとして20年ぶりに新たに『新編 日本一醜い親への手紙』(仮題)を公募・編集し、dZERO(ディーゼロ)という出版社から2017年秋に出版します。

(※クラウド・ファンディングで制作費を賄うことが出版の条件)

 『新編 日本一醜い親への手紙』(仮題)は、ただ親に対して憎しみを吐き出すだけの恨み節の本ではありません。

 つらい虐待の日々をどうやって生き抜いたのかを描き、親による支配をふりきるためにあなたがしてきた数々のがんばりを肯定するための本です。
 今あなたが生きていること、今日まで生きのびてきたことのすべてが「がんばり」です。

 この本を出版することで多くの人に虐待の深刻さとサバイバーたちの苦しみを知らせ、「どんな子どもも虐待されない社会」を作り出す国民的なムーブメントを育てていきます。
 そのためには、親から虐待された当事者の言葉が必要です。
 虐待され続けた苦しみから生き残れた人の経験が必要です。

 あなたが虐待から生きのび、今も生き続けていること自体が、虐待されて死にそうになっている幼い子どもたちにとって「こんなちっぽけな自分でも生き残れるかもしれない」と思える希望です。

 「無理に親を愛さなくてもいいんだ」
 「自分を苦しめ続けた親なんて、捨ててもいいんだ」
 「親から避難し、縁を切って暮らしてもいいんだ」

 虐待された当事者が「親への手紙」を書くことには、より若い世代を救える大きな価値があるのです。

 すでに親に殺された子も、たくさんいます。
 親から自殺に追いつめられて亡くなった方もいます。
 生きたくても生きられなかった彼らのためにも、あなたが親による苦しみから今日まで生き残ってきた証を教えてください。

「もう、次の世代に虐待を引き継がせたくない!」
 そう思ってもらえるのなら、「応募要項」をお読みの上、あなたのサバイバル経験をお寄せください。
 年齢・国籍など一切不問。
 親に苦しめられた方しか応募できないこの本に、勇気を出して「親への手紙」を書いてみませんか?

文責・Create Media(『日本一醜い親への手紙』企画・編集担当)

※経営者の方は、「児童虐待は経営リスク」の記事もごらんください。
※本の制作資金を応援してくださる方は、「手紙の出版を助けて」もどうぞ。






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