性別 女
年齢 19
職業 学生
母へ。
「お腹空いた」と言っただけの私を逃げないように壁の端に追い詰めて、何度も何度も蹴り続けましたね。
私は土下座して謝って、どれだけ「止めて」と叫んでも絶対に止めませんでしたね。
皿や本を投げつけて私が出血しても、その片付けをさせましたね。
寒い中、兄が買ってきたお弁当を投げつけて、部屋中に飛び散った米粒を「食え」と言いながら片付けさせましたね。
ママは、ほとんど忘れているように振る舞って、虐待死などのニュースを見ると泣いたりしていますね。
意味がわかりません。
自覚はないの?
いいえ、自覚はあったはずです。
ママは私に唯一謝ったことがあります。
私が本当に小さくて、洗面所の鏡に背丈が届かず、椅子に登って歯を磨いていたとき、ママは「遅い!」と怒鳴って、椅子ごと私を蹴り飛ばしましたよね。
私は、歯ブラシで口の中を切り、出血が止まらず仕方なく病院へ。
そのとき、ママは「椅子から落ちたって言ってな。ママが悪かったから、ごめんやからそう言ってな」って。
バレたくなかったんだ。
自覚あったのに、忘れたの?
小学校もひどかった。
学級崩壊が進み、先生たちも頭がおかしくなって、体罰は当たり前だった。
友達が校舎の窓から飛び降りようとするのを、必死で止めたりした。
そんな中、私の心の支えだったのは、パパの彼女でした。
あの人は優しかったよ。
ママとパパが「コジキみたいw」と呼ぶほどの私の汚い髪を、ひっぱらないで優しくとかしてくれた。
私はあのとき、初めてクシで髪をとくのは痛くないのだと知りました。
あの優しい人は、私を「可愛い」とほめたし、手をつないで歩いてくれたし、抱きしめたし、ねだっていないのに私に欲しかったものを買ってきてくれた。
私は、とても心がいやされた。
でも、ママはそれを妬んで「お前を私から奪うつもりなんだ!! パパをあの女に取られたのに!! あの女と出かけるなら死んでやる」などと脅したから、私は怖くて怖くて、あの優しい人の目を見ることができなくなりました。
ママ、私はあの人にママから取り上げられたかったよ。
ママの言うとおり、取り上げてくれればよかった。
パパ、あなたもクズです。
あなたがもっとママに優しくして、子育てや育児に参加していれば、ママはあんなふうに精神不安定にならなかったのに。
私と兄の子供保険を無断で使い込んで買った車の乗り心地はどうですか?
さぞ気分のいいことでしょう。
パパに言えることは、一つです。
「さっさと死ね」
小学五年生のとき、常に人に見られている感覚に陥りました。
学校に行くのも、街を歩くのも、つらかった。
人の笑っている声、ヒソヒソ声、全部、私を嘲笑っているように聞こえました。
苦しくて苦しくて、風呂に入るたびに溺れて死のうとしていました。
それからというもの、常に死にたい気持ちが離れません。
レグカも止めれず、足はズタズタです。
(※レグカ=レッグカット。足を刃物で傷つける自傷行為。手首など目立つところを傷つけると周囲にバレて止められるため、目立たない部位を傷つける若者が珍しくない)
あのときの幼い私に、なぜ誰も「それは心の病気だよ」と教えてくれなかったの?
兄もママからのストレスで頭がおかしくなり、私をレイプしかけました。
ここまで私たちを追い詰めておいて、ママだけ忘れないでよ。
償ってほしいので、私は漫画家になることにしたんだよ。
あの優しい人と引きはがされてからの心の支えは、物語の世界だった。
ママとパパは私に負の感情を与え続けたけど、私は漫画や小説を読んで心を自分で育んだ。
私は自分を救ってくれた漫画で高みへと登りつめて、漫画でママとパパに復讐する。
あなたたちが私たちへの虐待を忘れた頃に、もう一度思い出させてあげるのだ。
ママ、あなたは本当に可哀想な人です。
おじいちゃんに捨てられ、おばあちゃんに自殺され、パパに捨てられ、そしてこれから私たちに捨てられるのだから。
ママがいくら可哀想でも、私はあなたを許さない。
あなたを許せば、虐待を肯定することになる。
今虐待されているすべて子どもを見捨てることなるのだから。
私は、25歳になって漫画家になれていなかったら、死のうと決めています。
本当に生きづらいけれど、それまでは自殺せず、地べたを這ってでも漫画家を志す。
絶対に絶対に、這い上がってみせる。
すべては、ママとパパへの復讐と、今虐待に苦しんでいる子どもたちのために。
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